コラム

コンプライアンス強化の必要性

コンプライアンス強化の必要性

皆さんもご存じかとは思いますが、コンプライアンスとはコーポレートガバナンス(企業統治)の基本原理の一つです。

 

直訳すると法令遵守を意味しますが、主に企業活動において使われます。

 

コンプライアンスは法律のみではなく、社内規定やマニュアル、企業倫理、社会貢献などの遵守まで含みます。

企業の社会的責任(CSR、Corporate Social Responsibilityの略)という考え方も、法令遵守が前提となっています。

 

コンプライアンスの重要性が叫ばれるようになった背景には、近年、大企業を中心に不祥事が国内外において相次いで発生したことがあります。

違法行為や反社会的行為を起こした企業は、消費者や取引先の信頼を失います。

不売運動などがおきてしまうと事業継続すら困難になります。

 

コンプライアンスは、顧客や株主、取引先や従業員など企業活動をする上で全てに関わるステークホルダーを守るためのものであり、企業が守らなければならない最低限のルールと考えなければなりません。

 

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不景気や過当競争などを背景に、企業は生き残りをかけ経営のスリム化や業績拡大など利益追求の姿勢を強く求められます。

しかし、利己的な利益追求に傾きすぎてしまうとコンプラアンスの枠に足がかかることがあり、そこで倫理感が欠落した判断をしてしまうと、目先の利益追求のためにルールを犯してしまうことになり、その結果、会社の存続をも危うくさせてしまいます。

 

そうならないためにもコンプライアンス強化は必須です。

弁護士の増加や、消費者からの安全性への要求の高まりなどの背景もあり、企業におけるコンプラアンス強化は避けて通れない時代へと突入しています。

コンプライアンスの活動は、現場や法務担当などを交えたグループディスカッションや年に数回の勉強会、倫理言委員会やコンプライアンス室の設定などの方法で取り組むことができます。

 

こういったコンプライアンス強化の為の活動は、多くのコストがかかわる割に企業の利益に直結するわけではないため、経営側から軽視されてしまう場合があるようですが、それを惜しまず社会貢献の一環として取り組む姿勢があれば、結果的に顧客や消費者、従業員からの信頼を得ることができ、企業の存在と永続性につながるのです。

 

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実際におこるコンプライアンス違反には、脱税、横領、個人情報流出、セクハラ、パワハラ、賭博などが挙げられます。

悪意があるものは当然ですが、気づいていても言えなかった場合や、違反の意識そのものがマヒしてしまっている場合も違反となりますし、違反していることに気づいていない場合も「知らなかった」で済まされるものではありません。

 

このようなコンプライアンス違反はどんな状況でも起こる可能性はありますが、下記のような環境では特に違反がおきやすいといわれています。

 

・金もうけ主義、利益最優先の体質
・隠蔽体質、バレなければいいという意識の欠落
・同族経営、ワンマン経営で上層部が絶対的な権力を持つ、独裁的体質(逆に経営者の性格によっては違反が起きにくいこともあります)
・努力義務の欠落、努力義務の違反に対する罰則や処分が無い場合、それを悪用してしまう姿勢
・殿様商売、自社のブランド力を逆手にとり、取引先などに強気な取引を要求する体質
・極端な成果主義、精神倫重視の社風

 

企業内で上記いずれかに該当すると考えられる場合は、コンプライアンス違反が発生しやすい環境と考えられるため注意が必要ですが、実際にどのような対策を講じれば効果があるのかを考えていきたいと思います。

 

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組織内において、コンプラアンスを遵守できるよう経営管理し、事業活動をおこなうことをコンプラアンス・マネジメントといいます。

 

企業を取り巻く法律や規則は、民法や商法をはじめ独占禁止法、不正競争防止法、労働法、消費者保護法など多数あり、監督官庁の命令・指導などもあります。

さらに、営業活動や市場競争の公平さ、消費者などへの情報公開など、多くの場面で高い倫理感(企業倫理)が求められます。

企業はこういった多岐にわたる規則・規範を全役員や従業員に啓蒙し、遵守していかなければならず、もし違反行為があった場合には、早期に発見して是正できるマネジメント体制を作ることが求められます。

 

それらの具体的な方法についてはお伝えいたしませんが、基本的な運用方法としては、事業部門から半独立したコンプライアンス組織・委員会の体制を作ることや、コンプライアンスプログラムの策定、行動指針や方針の明確化、コンプライアンス規定の整備、コンプライアンス監査の実施などが求められます。

 

規定や運用の整備に対し、社内への啓蒙も非常に重要な要素です。

コンプライアンスマニュアルやコンプライアンスハンドブック、コンプライアンス意識啓発ポスター、コンプライアンスカード、コンプライアンス研修テキスト、コンプライアンス意識浸透ツールなども作成できれば、経営陣や従業員への意識強化につながります。

 

そしてコンプライアンス・マネジメントは一度おこなえば良いというものではなく、永続的な活動として取り組んでいかなければ意味がありません。

一度だけでは時間が経つと意識も薄れ忘れられてしまい、自然と取り組み前の元の体制に戻ってしまうからです。

 

世の中が変化していくのと同じように、社内のコンプラアンス体制もそれにあわせ、変革していかなければなりません。

コンプライアンスの必要性について啓蒙活動を続けることや客観的な視点、弁護士や第三者のアドバイス、それに伴う役員や従業員の意識も高まりが、コンプラアンス体制の強化と維持へつながっていくのです。

 

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今回のコラムでは、コンプライアンスというキーワードがすでに他人事ではないことをお伝えしました。

 

コンプライアンスに関わる不祥事は、社内の些細な出来心から始まり、それが気づかぬうちに大きくなり、取り返しのつかない事態を招く場合がほとんどです。

このような悲しい事件が起こらないためにも、事前防止や発生時の適切な対応のためにも、事前防止や発生時の適切な対応のためにも、コンプライアンスの対策はとても重要です。

 

不景気や過当競争などこれまで以上に勝ち残りをかけた厳しい時代へと突入していますが、それを理由にコンプライアンスを疎かにしてしまうと、上記で述べたような制裁が降りかかり、勝ち残りをかけた舞台に立つ前に退場させられるはめになります。

「うちの会社に限っては大丈夫だろう」「これくらいのことは他社でもやっているだろう」「利益のためには仕方がないことだ」「1回くらいなら問題ないだろう」「見つからなければ大丈夫だろう」、こういったちょっとした気の緩みが大きなコンプライアンス違反を発生させます。

 

企業活動をする上で何が一番大切なのか、社会への貢献は出来ているのか、お客様に満足をして頂いているのか、など日々倫理観を磨き、初心を忘れずに企業活動をすることが求められます。

またコンプラアンスは経営者のみではなく、全社員が当事者意識をもつことが大切です。

 

今回を契機に、コンプライアンスの重要性をもう一度理解すると共に、改めて社内の体制を見直してみてはいかがでしょうか。