コラム

「特定技能1号・2号」について

2018/11/20

昨今話題となっている在留資格「特定技能1号・2号」についてご説明したいと思います。

 

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この在留資格は、経済財政諮問会議を経て平成30年6月15日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2018」に基づいたものになっております。

 

この資格の趣旨・目的は「深刻な人手不足に対応するため、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を受け入れること」とされています。

様々な業種で人手不足が叫ばれている中、日本では外国人の「単純労働は禁止」とされておりましたが、この資格は就労を可能とした在留資格となっております。

 

これまで多くの企業が「外国人技能実習制度」を活用し、3年間という限られた期間内で実習を施してきましたが、あくまでこれは「技能実習」であり「就労」ではありません。

今回の在留資格は「就労」を目的とした事に大きな意味があります。

 

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この新たな在留資格を取得するには、「技能」と「日本語能力」の基準を満たす必要があります。

「技能」は業所管省庁の定める試験に合格、「日本語能力」については業務上必要な能力水準を考慮して定める試験に合格する必要があり、この2つの要素を盛り込んだ「特定技能評価試験」に合格することで要件を満たす事になります。

現在、試験内容の詳細は明らかになっておりませんが、原則日本語能力試験「N4」を取得する事とされています。

「技能実習2号」を終了した者が「特定技能」に在留資格を変更した場合は、上記「N4」取得試験が免除されることになっております。

また「特定技能」では、許可された活動の範囲内という縛りはありますが、転職することも可能となっており、これも大きなポイントになります。

ただし「特定技能1号」資格保持者の家族は、同行しての来日滞在はできないとされています。

 

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「特定技能1号」で5年間を終了した後には「特定技能2号」という在留資格があります。

この在留資格に関する詳細は不明ですが、在留資格を変更する為には業所管省庁が定める試験に合格する必要があります。

そして「特定技能2号」資格保有者には家族滞在も認められ在留期間の期限は無いとされております。

下記の要件を満たす場合については永住許可を受けることもできます。

 

(※永住許可に関するガイドライン)総務省引用
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyukan_nyukan50.html

 

(1)素行が善良であること 法律を遵守し日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいること。

 

(2)独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること。

日常生活において公共の負担にならず、その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること。

 

(3)その者の永住が日本国の利益に合すると認められること。

ア 原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。

ただし、この期間のうち、就労資格又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要する。

イ 罰金刑や懲役刑などを受けていないこと。納税義務等公的義務を履行していること。

ウ 現に有している在留資格について、出入国管理及び難民認定法施行規則別表第2に規定されている最長の在留期間をもって在留していること。

エ 公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと。

 

※ ただし、日本人、永住者又は特別永住者の配偶者又は子である場合には、(1)及び(2)に適合することを要しない。

また、難民の認定を受けている者の場合には、(2)に適合することを要しない。

 

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そしてこの外国人材の支援については、「安定的・円滑な活動を行うことができるようにするための日常生活上、職業生活上又は生活の支援を受入れ機関又は出入国在留管理庁長官の登録を受けた登録支援機関が行う事となっています。

現在の技能実習制度にはこの体制と似たようなものがありまして、基本的な生活ガイダンス、日本語の修得支援、相談、苦情対応や申請手続きの援助といった支援を行うことが義務付けられています。

 

【 特定技能1号、2号の対象業種 】

特定技能1号 受入れ業種(14業種)

1、 建設業

2、 造船・船舶工業

3、 自動車整備業

4、 航空業

5、 宿泊業

6、 介護

7、 ビルクリーニング

8、 農業

9、 漁業

10、飲食料品製造業

11、外食業

12、素形材産業

13、産業機械製造業

14、電子・電気機器関連産業

 

特定技能2号 受入れ業種(5業種)

1、 建設業

2、 造船・船舶工業

3、 自動車整備業

4、 航空業

5、 宿泊業

 

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様々な業界で深刻な人手不足に悩んでいる中、日本国家として外国人の単純労働を、業種は限定的ではありますが認める方向に動いています。

これは国としての大きな方向転換です。

外国人の増加による治安の悪化などの懸念があることも事実ですが、今後は彼等の力に頼りながらうまく付き合っていく必要があります。

今後も「特定技能1号・2号」に関する新たな進捗情報をお届けしていきます。