コラム

コロナ禍をのりきるための財務対策

2020/03/24
新型コロナウイルス

感染拡大が続く現在、コロナウイルスの影響はすでに感染症のそれを超えています。

流行性感冒症のレベルを超え、世界経済に深刻なダメージを与える兆しを見せつつあります。

 

2000年以降で、日本の中小企業経営者にとっての最大の危機事象はやはりリーマンショックでしょう。

2008年9月に発生した米国発の世界的な金融危機は、日本の企業経営者に危機的な試練を与えました。

今回発生した新型肺炎は、どれほど中小企業経営に影響を及ぼすか未知数です。

早期に収束する可能性もあれば、リーマンショック以上の危機となる可能性もあります。

いま経営者の皆さんに求められることは、最悪のシナリオを想定し、一刻も早く適切に危機への対策を講じ、実行に移すことだと思います。

そこで企業が採用するべき財務戦略についてお伝えいたします。

 

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【最悪のシナリオを想定し対策を準備する】

リーマンショックにて、とある自動車メーカーの下請企業では、主要受注先の自動車メーカーの生産停止に伴い、自社工場ラインの生産停止を余儀なくされました。

結果、その会社は単月の売上高がゼロということになったのです。

皆様は事業をしていて、売上高0という月があることを想像できるでしょうか?

売上がゼロとなったら、当たり前ですが売掛などの入金もありません。

一方で仕入先への支払いや従業員には給与を支払い続けなければなりません。

結果、手元資金はどんどん流出し、資金繰りが悪化します。

つまり事業存続の危機を迎えるわけです。

想定するだけで恐ろしいでしょうが、最悪のシナリオを想定するということはそこまで考えるということです。

しかし10年程度前、現実にこのような窮地に陥った中小企業が数多く存在したのも事実です。

中には事業が存続できなくなった会社も多く存在します。

経営者の皆様は、リーマンショックに学び、最悪のシナリオを想定したうえで、先手の資金繰り対策を直ちに準備する必要があります。

 

では今回のような有事に備えるべき財務戦略とはなんでしょうか。

単純で、早期に現預金を積上げることにつきます。

通常、財務戦略は、中長期的に現預金の心配をすることなく永続的に成長し続けるために、現預金が貯まる仕組みを構築することです。

しかし今回のような場合はとにかく現預金が大切になってきます。今現在、現金が必要ない場合も最悪なシナリオを想定して借りられるだけ現預金を集めることが将来の命運を左右してきます。

ではどの程度の現預金が必要になるかといいますと、最低月商の3か月分の積立がラインといえます。

最悪なシナリオ(売上が0の状態)が続く想定ですから、売上などの入金はないが販管費、運転資金、借入返済などはついて回ります。

最低ラインは3か月ほどで理想は半年といえるでしょう。

最悪のシナリオを想定しているにもかかわらず、現在の現預金水準が月商の3か月未満ということであれば、早急に金融機関借入を活用し、現預金の積み上げを考えましょう。

新型肺炎の影響がどれほどまで長期化するか分からない中では、まずは悲観的に準備し、現預金を積み上げた後で、楽観的に対処することが得策といえるでしょう。

まず第一優先で、日本政策金融公庫や商工中金などの政府系金融機関で適用される制度融資を活用して資金調達するということです。

国や地方公共団体、政府系金融機関は、新型肺炎に対応した制度融資を日々発表し、内容が更新されています。

現在公表されている制度融資の要件を確認すると、多くの制度融資は、売上や利益が新型肺炎の影響で減少したというエビデンスが必要だと明記されています。

制度融資の要件を確認したうえで、少しでも条件に当てはまりそうだと判断できるのであれば、早急に金融機関へ相談することが重要です。

なぜ早急に相談する必要があるのかというと、必要なときに借入が受けられる体制にするためです。

制度融資の申し込みが殺到し、審査の順番が後回しとなり、資金が必要なタイミングに間に合わないという事態になれば本末転倒です。

そのため、要件に合致しそうということであれば、早急に金融機関へ相談し、審査のテーブルにのせてもらうことが必要なのです。

 

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以上、緊急事態に採用すべき財務戦略をお伝えしてまいりました。

本コラムを読んで、いち早く準備し実行に移せる企業様は、緊急時から平時に転換した際は早く経営を成長軌道に戻し、危機を乗り越えた経験を活かして、永続可能な強固な企業体質になるでしょう。

今回の新型肺炎という緊急事態をチャンスに変えるべく、いち早く準備をしていただけたら幸いです。